シルクロードのバネ工場

ウズベキスタン、フィリピン、ベトナム、モンゴル、そしてシリアに渡った日本語教師のブログです

ヒタドゥ分校

…というわけで前回の続きです。

業務出張で日本語の授業をするためアッドゥ環礁ヒタドゥ島に送り込まれた私。
宿舎に到着するも翌日から始まるはずの授業については何も知らされず、学校の場所さえもわからぬままひとりぼっちになってしまい、モヤモヤを抱えたまま長い夜を過ごして迎えた翌朝

とりあえず、何をどうしろと言われてもすぐ対応できるように部屋で待機していると、ヒタドゥ分校の事務員の女性から電話が入り…、

「9時から日本語の授業が始まります。これから迎えの者が宿舎に行きますので少々お待ちください。」と。

日本語の授業が始まるのは9時

電話を切って時計を見ると8時45分

…というわけで、

迎えの者のバイクにまたがり、学校へ。


モルディブ国立大学ヒタドゥ分校に到着。

…で、ひと息ついてるヒマもなくすぐに120分の授業

3日前に出張を言い渡され、わずか15分前まで授業開始の時間もわからず、突然教室に放り込まれて初めて会う学生たちの前で120分の授業をしたんですが、改めてよくぞここまで日本語教師としての地力を身につけたもんだ自分で自分を褒めてあげたい

そんなわけで、ここヒタドゥ分校では1日に120分授業を2コマ、それをわずか5日間。つまり総授業時間20時間。その間に1学期分の授業内容を消化して、最終日の午前中に試験を行い採点。学生全員の成績を出してマレに帰る。というスケジュールになりました。

マレの本校では1学期間(約3ヶ月)で30時間。前回のクルドゥフシ出張は2週間で30時間だったんですが、ここヒタドゥ分校、はたして20時間という授業時間で1学期分の内容を教えることができるのか!?

結果から言うとできちゃいました
理由は“打っても響かない学生”だったから。

例えば2月に行ったクルドゥフシ分校の場合、25人いた学生のうち女子全員と男子数名はやる気もあって真剣に勉強していたものの、半分以上の男子たちは授業中もやかましく、奇声を発する“おさるさん”だったんですが、そんな連中でも私が板書したことは素直にノートに取り、練習問題なんかもやれと言えばやる連中でした。

それなりに真剣に学んでいる学生も、わからないときには「わからない」と言うし、質問があるときは質問をする。
そういう教室内での学生と教師との間のコミュニケーションが、崩壊寸前の中にもしっかりあったので、30時間しっかり教えることができました。

しかし、このヒタドゥ分校の学生。とりあえず授業を妨害するような悪童はおらず、たまにクスリでもやってるのかおかしい言動をしている学生がいても「教室から出ろ」と言えば素直に謝るか教室を出るかのどちらかで、非常にスムーズに授業が進んでいきました。

しかし、私の話を聞いてはいるが、私がボードに書いたことをノートに書き写すとかメモするとか、そういうことを一切せず、ていうかそもそもノートなどというものは持ってこず、授業時間が来たら教室にやってきてただ黙って先生の話を聞いているだけ

で、ひと通りあれこれ教えたり説明したり口頭練習をしたりなんていうのがあったのち、私が「わかりましたか」といえば「はい、わかりました」と言い、「質問はありますか」と聞けば「ありません」と答える。

だから学生がノートを書いているのを待っている時間とか、学生の質問に私が答える、とかそういうやりとりがまったくなかったので、びっくりするぐらいのハイペースで授業がガシガシ進んでいったのです。

…でも、これってさぁ

例えば石コロを池なんかにポーンと放り投げたら、投げた石コロがすんっと水中に吸い込まれてしまい、水面が揺れることなく波紋も広がらずに何の変化も見せないのと同じで、


教師が学生に問いかけても何のリアクションも返って来ず、教師の問いかけが空しく壁に吸い込まれるような感じで、正直やっててなんにもおもしろくないんですよね

…と、そんな壁に向かって話しかける1週間で順調に1学期分の授業を終わらせることができ、


最後(試験直前)の授業はこんなふうに教室がさびしい感じになったりもしつつ、


最終日の試験は11人中9人が不合格という惨憺たる結果で幕をおろし、なんか後味の悪い形でヒタドゥ島でのお仕事が終了したのであります。

それにしても、モルディブで日本語の授業なんかをしていると、程度の差はあれこういった後味の悪い感じが他の国と比べて多いような気がしてならないんですよねぇ…。まあいいけど。

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アッドゥ出張

4月下旬、マレを離れて地方島の分校にて出張授業をして参りました。

今回の行き先は、赤道を越えてさらに南に位置するモルディブ最南の環礁、スィーヌ(またはアッドゥ)環礁のヒタドゥ島

ここにもモルディブ国立大学の分校があり、1学期に1回、マレの本校から日本語教師が出張しておるわけですが、私も帰国を前に地方の現状を見るために、そしてこのヒタドゥ島の分校にはかつて短期ではありましたが日本人ボランティア教師も派遣されていたということで、やはり一度は行ってみておかなければ、と思い行ってまいりました。

しかし、モルディブではこの地方島出張というヤツがどうも「急に言われてバタバタしたまま行く」みたいな感じで、思い起こせば前回、2月のクルドゥフシ出張の際には出発5日前に突然飛行機のチケットを手渡され、「この日からこの日まで行ってきてください。お願いします。」とだけ言われてわけもわからず急いであれこれ準備して「そら行ってこい」…という感じだったんですよねぇ。

…が、今回のアッドゥ出張は出発の1ヶ月近く前「4月14日から28日まで出張の予定が入りました。チケットの手配をするのでフルネームとパスポート番号を改めて教えてください。お願いします。」という通達があり、「なんだおい、やりゃあできんじゃねぇか」などと思って私ものんびり構えていたんですが、それからあれよあれよという間に出発日が近づき、しかし学校から出張に関する話は一切なく、私自身も「あれれ?」とは思いながらも忙しさの中で出張の話を聞いたりする暇がなかったりで、なんだかんだで出発の3日ぐらい前に「あのさ、出張の話なんだけど、いろいろ作らなきゃいかん書類とかもあるから飛行機の時間とか現地での宿泊先とかそういうの、そろそろ教えてほしいんだけど…」と学校の事務方に問うたところ、

「ああ、その出張なら延期になったけど」…って。

(いやいやいや、それならそうとちゃんと連絡してよ。)などと思いながら、「じゃあいつになったのよ」と聞いてみると、

「まだわかんない。決まったら連絡すっから」みたいなコトを言われ、それ以降、出張の話はまったく出ず。
私も帰国日が迫ってきてあれこれと仕事なんかもあったりしたもんだから出張のこともすっかり忘れていたんですが、そんなこんなで過ごしていたある木曜日の昼さがり。

「例のアッドゥ出張だけど、今度の日曜日(3日後)の出発でお願いします」…と。

えと、モルディブはイスラムの国なので金曜日と土曜日がお休み日曜日から仕事が始まるわけです。
つまり、週末(木曜日)の昼といえば、この日のお仕事が終われば明日と明後日はお休みだから、週明け(日曜日)にはあれとこれをして…、とか、そういうことを考え始める、またはすでにそういう計画を立ててしまっている頃合いであり、そんな木曜日の昼に、「しあさってから長期出張です」ってさぁ…。

普段がユルユルなのでその突然の、あまりにタイトなスケジュール発表にビックリしてしまいました。

しかも、前回のクルドゥフシ分校での授業は2週間で1学期分の授業をする、という内容で、それでもかなりキュウキュウだったんですが、今回の出張も前回同様2週間の予定だったところが「延期になっちゃったから時間が取れなかったんですよねぇ…。だから申し訳ないけど1週間で1学期分の授業してきてね。」ということになり…、

要するにこういうことです。

事前に2週間の出張が決まっていたものの、それが延期になっていつ行くかもわからずのんびり過ごして物理的にも精神的にも出張の準備など何もしていなかったところに、突然「3日後から地方の分校へ1週間行ってください。んで、その1週間の間に1学期分の授業をして試験もして成績を出して帰ってきてください。」と言われたのです。

…というわけで、


準備もままならないまま機上の人に。


2時間ほどでアッドゥに到着。そして…、


空港を出ると、そこに来ている(と思っていた)迎えの者はおらず、マレを発つ際に知らされていた「ヒタドゥ分校のマネージャーの電話番号」というのだけを頼りに連絡を入れてみると、電話越しから聞こえてくる方々の会話が明らかに「聞いてないよー」みたいなリアクションだったんですが、なんとか迎えに来てもらい、


おそらく職員用の宿舎と思われる建物の前でなんの説明もなく車を降ろされ、翌日から始まることになっている授業の話なども聞けずにひとりぼっちにされてしまった私。


なんとなく日が暮れて夜になり、何ひとつハッキリしたことがわからず、モヤモヤしたまま長い夜を過ごしたのであります。



……つづく。

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日帰りマーフシ

前にもちらっと書きましたが、私が現在お勤めしているのはモルディブ国立大学観光学部といいます。

大学とはいえ、もともとはホテルスタッフを養成するためのホテルスクールという、わかりやすく言うと職業訓練校のようなものがその名前を大学に改めただけで、この国の教育制度の中に“大学”というものができてまだ日も浅いため、この学校で行われているいろいろは相変わらず職業訓練校の域を越えてはいません。

それでも、授業の一環であったり研修やら何やらで学外から一般のお客様方を招いて食事会が行われたり、学外に出て外部のお客様を引き連れての日帰りツアーが組まれたり、なんてことがよくあります。

私もなんだかんだであと2ヶ月もすればモルディブを離れてしまうので、やっぱり一度ぐらいは学生のお接待を受けてみたいなぁ、などと考えておりました。

というわけで、4月に入ったある休日。学生主催による地方島ツアー研修が行われるというので参加することに。


朝8時にマレを出発し、ボートに揺られること約2時間。

目的地の島に到着。



この島、首都のマレから約40キロの所にある南マーレ環礁マーフシという島。
大きさはだいたいマレの4分の一ぐらいで人口は1500人ほどののんびりとした雰囲気のいわゆる住民島なんですが、国内でも有数の刑務所なんかもあったり、わりと大きい孤児院もあったりします。
またすぐ近くにリゾート島もあったりするからか、地方島のなかでも積極的に観光客の誘致なんかもしている様子が伺え、島を散策する欧米人や中国人の姿もちらほら。狭い島内に建設中のも含めてなんと10軒近くのゲストハウスもあります。


というわけでまずはウェルカムドリンクをいただき、


その後はインターンの学生とマーフシの地元青年団による島内ぶらり観光案内


ゆっくりのんびり歩いても1時間ほどで島内散策は終了し、その後しばし休憩していると…、


マーフシ婦人会によるケータリングサービスがやってきて、


昼食。


で、午後は主に海で遊んだんですが、次第に雲行きが怪しくなってきてしまいました。

マレ周辺では見ることのできない魚や大きいサンゴなんかもいるにはいるんですが、空が曇っていたので海の中も曇ってしまい、晴れてれば海の中もきれいだったんだろうなぁ…

…などと思っているとやがて雨も降り始め、ブルブル震えながら撤収。


…で、最後にマーフシ青年団によるボドゥベル(モルディブの民俗音楽)ショーで終了。


午後6時半、船に乗ってマーフシを離れ、マレに帰ります。

…が、

マーフシを出港して30分もしないうちに船がUターン。マーフシに戻ってきてしまいました。

どうやら天候が回復せず、スローボートでこのままマレに向かうのは危険との判断。で、とりあえず天候回復を待つことになり、もしかしたらマーフシで1泊ということにもなるかもしれないという。

まあ明日は授業があっても午後からだし、ここで1泊ぐらいしても問題はないかな、などと思いながらボサーっとしていると、その1時間後、別便で来ていた方々のスピードボートがマレに帰るということで、どうしても今夜中にマレに帰りたい方々が乗船。それでもまだ若干の空席があったのでしれっと便乗させていただき、


びゅんびゅん飛ばしてあっちゅーまにマレに帰ってきました。

…と、そんなこんなで後半は天候のせいでわちゃわちゃしてしまった日帰りマーフシの旅でしたが、お金のかかるリゾート島などにわざわざ行かずとも、こんなふうにマレからでもお手軽に来れてそれなりに宿泊施設も整っている島があるならぜひ帰国するまでにまた一度くらい骨抜きに来てみようかしらん、などと思った今回の旅でした。

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