前回の続きです。

モンゴルのヨーグルトがこの時期一番ウマいということで、このヨーグルトを培養する実験に取りかかりました。日本でもカスピ海ヨーグルトなるものがヨーグルト通の間で流行しましたが、このカスピ海ヨーグルトというのは、大さじ一杯程度のヨーグルトを「株」にして、それに牛乳を混ぜることでヨーグルト菌を繁殖、で、さらにそれをまたスプーン一杯程度を残して……というように、無限に増殖させてヨーグルトを作り続けることができるモノ。
それに、納豆菌なんかも、納豆1パックと大豆があればいくらでも納豆が増やせるし、その容量でモンゴルのヨーグルト菌も増やそうと思えばいくらでも増やせるのではないか、と思い、早速実験開始です。

スプーン一杯程度のヨーグルトを容器に入れ、そこに牛乳を流し込んでよく混ぜる。んで、蓋をしてこれを常温で数時間そのまま保存しておくと……
……残念ながら実験失敗です。ヨーグルトにはならず、ただ「ヨーグルトを混ぜた牛乳」にしかなりませんでした。
でも、この「ヨーグルトを混ぜた牛乳」、酸味の強いヨーグルトに乳臭い牛乳が混ざり合うことで、牛乳のまろやかさがヨーグルトの酸味を抑え、ヨーグルトの酸味が牛乳の乳臭さを消し、程よい感じのヨーグルトドリンクになってくれたので、これはこれでよしとすることにします。
インドの「ラッシー」みたいな感じでウマいです。
しかし、ここで満足してはいけません。あくまで今回のこの実験の最終目標は「ヨーグルト菌の培養」。
そんなわけで、頭をひねります。
……そういえば、会話の授業で「モンゴル料理の作り方」を発表させたとき、「乳製品の作り方」について話した学生が「ヨーグルトを作るには酵母菌を入れた生乳を沸騰させる」みたいなことを言ってたような…ということを思い出し、牛乳を沸かしてみることにしました。

んで、あとは同じようにスプーン一杯程度のヨーグルトを容器に入れ、沸かした牛乳を流し込み、よく混ぜて密閉。常温で数時間保存しておきます。すると…

このとおり!ヨーグルトになりました。
しかし………
考えてみればモンゴルでは牛乳もヨーグルトもたいして値段が変わらないので、必死になってこんなことする意味はあまりないのです。

ちなみに、最初のヨーグルト作りで「ラッシー風味」のヨーグルトドリンクが出来上がってしまったときに、あることに気がつきました。
ラッシーと言えばインド、インドと言えばカレー、そしてカレーと言えば「ナン」。……ということで、いつも作っているパン生地にヨーグルトを入れて練り込んでみます。(右写真)
すると……

「ナン」完成。
モンゴルにおいてイースト菌とヨーグルト菌の華麗なるコラボが実現しました。
「菌」の話です。
ちょっと前に「小麦の値段が上がってパンも値上げした」みたいな話をしましたが、ある日、いつものようにスーパーで買い物しているときのこと、これまで気にも留めていなかった棚の前で立ち止まり、こんなものを見つけました。

ドライイースト
で、この「イースト菌」をボサーッと眺めながらしばし考えます。
………小麦粉が高くなった。……パンも高くなっておまけにマズくなった。…でも、毎度毎度パンを買うより、小麦粉をたくさん買って自分でパンを作れれば食費が浮くのではないだろうか……。
…そんなわけでイースト菌を購入。自宅でパン作りに挑戦してみることにしました。
(材料)小麦粉、イースト菌、塩、砂糖、バター
(「ハカリ」などという便利グッズはないので、それぞれ目分量)
(作り方)小麦粉に塩ひとつまみ程度を混ぜ、そこにイースト菌と砂糖を混ぜたぬるま湯をブッ込んでコネていきます。生地がカタチになってきたらバターも混ぜてさらにコネます。んで、コネた生地を暖かいところに4~50分ほど置いておくと、生地の中でイースト菌が発酵して2倍ぐらいに膨らみます。

で、膨らんだ生地のガス抜きをして再び30分ほど寝かせたあと、オーブンに10分ぐらい突っ込んでおきます。すると…

「できあがり」
結構簡単にできます。お味の方も、自分好みの配分がわかってくればそこらで売ってるパンよりウマくなるし、何より安上がりデス。そんなわけで最近はパン作りにも慣れてきて、形を変えてみたり、ジャムを入れてジャムパンを作ってみたりしています。楽しいです。


…と、そんな感じでイースト菌と戯れている間に、モンゴルはすっかり夏になってきました。5月ごろから新緑も芽生え始め、草原も眩しいぐらいの青さを取り戻しています。
そんな中、モンゴルでは家畜たちが新緑を食べるようになる5月6月というのは乳製品がもっともおいしい季節と言われています。しかもこの季節は乳も大量に搾り採れるため値段も安くなり、市場の乳製品売り場も活気にあふれています。
しかし、わざわざ市場へ行って乳製品を買う必要はありません。毎朝アパート前の広場に出てみると、

←おばさん方がたむろしています。
この一番左の白い帽子のおばさん、街の近くのイナカから新鮮な牛乳や乳製品を毎朝売りに来ていて、牛乳やヨーグルト、馬乳酒などを一日タンク一杯限定販売、売り切れと同時に閉店してしまいます。しかも市場で買うより若干安い。

そんなわけで、私もこのおばちゃんから牛乳とヨーグルトをよく買っています。牛乳はちょっと乳臭いけど、新鮮でうまいです。ヨーグルトも程よい酸味があってクセになります。朝、食べるものがないときには茶碗に2杯ぐらいのヨーグルトをバカ食いしたりしてます。ちなみにこのヨーグルト、モンゴル語で「тараг(タラグ)」と言うんですが、 聞いた話によるとこのヨーグルト菌には底知れないパワーが秘められていて、一度にたくさん食べ過ぎると眠くなるという。(今までこれで眠くなったことはないけど)
で、このタラグがホントにうまいので、このウマいヨーグルトの味をなんとか残せないモンかと考え、ヨーグルト菌を培養するべく実験を試みました。
……つづく
ワールドバザール21の「各国いまどき報告」のサイトに今月の記事が掲載されました。
以前、このブログで書いた卒業式の話。「つづく」と書いておきながら未完結のままになっていたんですが、その後の卒業イベントの話です。
http://www.e384.com/imadoki/37mongolia/index.html
↓↓ここから下は各国いまどき報告の続きの話です↓↓
↑↑↑できれば上のサイトを先に読んでください↑↑↑

ワールドバザールの記事は、卒業式のあとの卒業試験の話で終わっていますが、実は卒業イベントはこれで終わりではなく、去る6月9日に「卒業証書授与式」も行われました。
要するに、5月上旬に「卒業式」が行われ、その2週間後に「卒業試験」。で、さらにその2週間後に「卒業証書授与式」が執り行われたわけですが、正直「イベントの順序にまったくセンスが感じられない」と思うのは私だけでしょうか…。
「授与式」では、各学科の代表1人が壇上に上がって学長から直々に卒業証書をいただき、その後は学部室に入って学科ごとに担当教諭からディプロマと成績表が渡される、という感じで、わりと厳かに粛々とした感じの一日になるもんだと思っていたんですが……

5月の卒業式は全員参加。卒業生の家族親戚友人も大学に来ていたし、みんな派手な衣装を身にまとい、夜遅くまで宴が繰り広げられたのに対し、卒業証書授与式などは参加しない学生も多く、参加していた学生も、一応それなりにデールとかドレスなんかを着て正装で来てはいるものの、式が終わったあとに学部室でディプロマと成績表を受け取ると、「おつかれしたー」みたいな感じでサラッと帰宅。何の感慨もなく大学を去りました。
で、そのあと式に顔を出さなかった学生が普段と何も変わらない様子で私服で現れて、やっぱり受け取るモンだけ受け取って帰宅。翌日にはほとんどの学生が実家に帰省。
…みたいな感じです。感動もへったくれもありません。
なんか、わざわざ5月に卒業式をやる意味は一体どこに?ていうか、卒業式は一体何のためにやったんだ?と思ってしまいます。