シルクロードのバネ工場

ウズベキスタン、フィリピン、ベトナム、モンゴル、そしてシリアに渡った日本語教師のブログです

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日本の普通の風景写真は日本語学習者の目にどう映る?

この週末、我がモルディブ国立大学観光学部において日本文化を体験する会を開催いたしました。

といってもそんな大々的なイベントではなく、いつも夜の社会人コースの授業が行われている時間を使い、日本語コースの学生やその他興味のある方に自由に来ていただいて日本の文化的なことをちょこっと体験していただく、という感じのプチイベントです。

しかも今学期は学校側のドタバタで開講できなかったクラスがあったり、いつものように気がつくとフェードアウトして授業に来なくなってしまう学生もやっぱりいたりと、現時点で日本語を学んでいる学生も少なくなってしまったので、ひっそりと地味な感じで執り行われました。

内容としては折り紙書道カラオケに加え、抹茶の試飲コーナーという感じ。


こうしてピンポイントで写真を撮ると大盛況しているような感じに見受けられますが…、


実際はこんな感じですっかり閑古鳥が鳴いておりました
悲しいかなこれがモルディブ唯一の日本語教育機関モルディブにおける日本語教育の現状です。

しかし今回、私はこのプチイベント開催に当たってちょっと前から個人的にやってみたいと思っていたある試みを実行してみました。

それは「写真展」

文字通り日本の風景写真なんかを展示するだけなんですが、どうしても日本語を教える、日本文化を広める会場で行われる写真展というと、都会のイルミネーションであったり、富士山だとか満開の桜みたいな大自然であったり、浅草京都あたりの有名なお寺とか厳島神社鳥居の向こうに沈む夕日の写真であったり、はたまた伝統芸能の歌舞伎とか、その手の写真なんかがどうしても目立ってしまいます。

でもそんなのもういいよ…。

と、このところ思っていて、例えば日本語を学んでいる人の間では日本のアニメのワンピースやらNARUTOやら宮崎駿やらが好きな人が多く、実際にトトロとか魔女の宅急便なんかを日本語の教材として使った例なんかもあったりしてそれはそれでいいんですが、そういった世界的に有名な、スケールの大きい作品もありながら、地味なところで実は日本語教材としてのサザエさんのポテンシャルの高さ、そして個人的な趣味で授業に使ってみたら意外と食い付きがよかった小津安二郎の映画とか、そういった「なんでもない日常を切り取ったところから見えてくるもの」に引き込まれる学生もこちらが想像している以上にいたりするんですよね。

…というわけで話を写真に戻しますが、今回、私が試みた写真展というのは、日本のキレイな風景や有名な場所や物の写真ではなく、別になんていうこともない普通の日本の風景や、我々日本人が普段目にしている物、日本人は見慣れてるけど外国人はどう見るのかな、というような物。
そんな写真ばかりを展示してみたら、来場した方々はどれくらい食いつくのだろうか…、ということ。

で、こんな感じになりました。

(クリックしたら若干大きめの画像が表示されるようにしておきました。)

ホントはもっとたくさんババーンと展示したかったんですが、時間と予算の都合上、厳選に厳選を重ねて選んだ写真約40枚


こんなさびしい感じのイベント会場ではありましたが、


この写真展示にみんなが足を止め、その足を止めてあーだこーだと話している時間も長かったような気がしなくもないような感じでした。


欲を言えばもっと学生の多いところで、たくさんの方々に来場していただいた中でやってみたかったんですが、とりあえずは見慣れた見飽きた日本の綺麗な風景写真なんかより、こっちのほうが興味を引く内容だったのではないかと思いました。


皆様もぜひお試しください。
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テーマ:日本語教育/異文化コミュニケーション - ジャンル:学校・教育

ヒタドゥ分校

…というわけで前回の続きです。

業務出張で日本語の授業をするためアッドゥ環礁ヒタドゥ島に送り込まれた私。
宿舎に到着するも翌日から始まるはずの授業については何も知らされず、学校の場所さえもわからぬままひとりぼっちになってしまい、モヤモヤを抱えたまま長い夜を過ごして迎えた翌朝

とりあえず、何をどうしろと言われてもすぐ対応できるように部屋で待機していると、ヒタドゥ分校の事務員の女性から電話が入り…、

「9時から日本語の授業が始まります。これから迎えの者が宿舎に行きますので少々お待ちください。」と。

日本語の授業が始まるのは9時

電話を切って時計を見ると8時45分

…というわけで、

迎えの者のバイクにまたがり、学校へ。


モルディブ国立大学ヒタドゥ分校に到着。

…で、ひと息ついてるヒマもなくすぐに120分の授業

3日前に出張を言い渡され、わずか15分前まで授業開始の時間もわからず、突然教室に放り込まれて初めて会う学生たちの前で120分の授業をしたんですが、改めてよくぞここまで日本語教師としての地力を身につけたもんだ自分で自分を褒めてあげたい

そんなわけで、ここヒタドゥ分校では1日に120分授業を2コマ、それをわずか5日間。つまり総授業時間20時間。その間に1学期分の授業内容を消化して、最終日の午前中に試験を行い採点。学生全員の成績を出してマレに帰る。というスケジュールになりました。

マレの本校では1学期間(約3ヶ月)で30時間。前回のクルドゥフシ出張は2週間で30時間だったんですが、ここヒタドゥ分校、はたして20時間という授業時間で1学期分の内容を教えることができるのか!?

結果から言うとできちゃいました
理由は“打っても響かない学生”だったから。

例えば2月に行ったクルドゥフシ分校の場合、25人いた学生のうち女子全員と男子数名はやる気もあって真剣に勉強していたものの、半分以上の男子たちは授業中もやかましく、奇声を発する“おさるさん”だったんですが、そんな連中でも私が板書したことは素直にノートに取り、練習問題なんかもやれと言えばやる連中でした。

それなりに真剣に学んでいる学生も、わからないときには「わからない」と言うし、質問があるときは質問をする。
そういう教室内での学生と教師との間のコミュニケーションが、崩壊寸前の中にもしっかりあったので、30時間しっかり教えることができました。

しかし、このヒタドゥ分校の学生。とりあえず授業を妨害するような悪童はおらず、たまにクスリでもやってるのかおかしい言動をしている学生がいても「教室から出ろ」と言えば素直に謝るか教室を出るかのどちらかで、非常にスムーズに授業が進んでいきました。

しかし、私の話を聞いてはいるが、私がボードに書いたことをノートに書き写すとかメモするとか、そういうことを一切せず、ていうかそもそもノートなどというものは持ってこず、授業時間が来たら教室にやってきてただ黙って先生の話を聞いているだけ

で、ひと通りあれこれ教えたり説明したり口頭練習をしたりなんていうのがあったのち、私が「わかりましたか」といえば「はい、わかりました」と言い、「質問はありますか」と聞けば「ありません」と答える。

だから学生がノートを書いているのを待っている時間とか、学生の質問に私が答える、とかそういうやりとりがまったくなかったので、びっくりするぐらいのハイペースで授業がガシガシ進んでいったのです。

…でも、これってさぁ

例えば石コロを池なんかにポーンと放り投げたら、投げた石コロがすんっと水中に吸い込まれてしまい、水面が揺れることなく波紋も広がらずに何の変化も見せないのと同じで、


教師が学生に問いかけても何のリアクションも返って来ず、教師の問いかけが空しく壁に吸い込まれるような感じで、正直やっててなんにもおもしろくないんですよね

…と、そんな壁に向かって話しかける1週間で順調に1学期分の授業を終わらせることができ、


最後(試験直前)の授業はこんなふうに教室がさびしい感じになったりもしつつ、


最終日の試験は11人中9人が不合格という惨憺たる結果で幕をおろし、なんか後味の悪い形でヒタドゥ島でのお仕事が終了したのであります。

それにしても、モルディブで日本語の授業なんかをしていると、程度の差はあれこういった後味の悪い感じが他の国と比べて多いような気がしてならないんですよねぇ…。まあいいけど。

テーマ:モルディブ - ジャンル:海外情報

アッドゥ出張

4月下旬、マレを離れて地方島の分校にて出張授業をして参りました。

今回の行き先は、赤道を越えてさらに南に位置するモルディブ最南の環礁、スィーヌ(またはアッドゥ)環礁のヒタドゥ島

ここにもモルディブ国立大学の分校があり、1学期に1回、マレの本校から日本語教師が出張しておるわけですが、私も帰国を前に地方の現状を見るために、そしてこのヒタドゥ島の分校にはかつて短期ではありましたが日本人ボランティア教師も派遣されていたということで、やはり一度は行ってみておかなければ、と思い行ってまいりました。

しかし、モルディブではこの地方島出張というヤツがどうも「急に言われてバタバタしたまま行く」みたいな感じで、思い起こせば前回、2月のクルドゥフシ出張の際には出発5日前に突然飛行機のチケットを手渡され、「この日からこの日まで行ってきてください。お願いします。」とだけ言われてわけもわからず急いであれこれ準備して「そら行ってこい」…という感じだったんですよねぇ。

…が、今回のアッドゥ出張は出発の1ヶ月近く前「4月14日から28日まで出張の予定が入りました。チケットの手配をするのでフルネームとパスポート番号を改めて教えてください。お願いします。」という通達があり、「なんだおい、やりゃあできんじゃねぇか」などと思って私ものんびり構えていたんですが、それからあれよあれよという間に出発日が近づき、しかし学校から出張に関する話は一切なく、私自身も「あれれ?」とは思いながらも忙しさの中で出張の話を聞いたりする暇がなかったりで、なんだかんだで出発の3日ぐらい前に「あのさ、出張の話なんだけど、いろいろ作らなきゃいかん書類とかもあるから飛行機の時間とか現地での宿泊先とかそういうの、そろそろ教えてほしいんだけど…」と学校の事務方に問うたところ、

「ああ、その出張なら延期になったけど」…って。

(いやいやいや、それならそうとちゃんと連絡してよ。)などと思いながら、「じゃあいつになったのよ」と聞いてみると、

「まだわかんない。決まったら連絡すっから」みたいなコトを言われ、それ以降、出張の話はまったく出ず。
私も帰国日が迫ってきてあれこれと仕事なんかもあったりしたもんだから出張のこともすっかり忘れていたんですが、そんなこんなで過ごしていたある木曜日の昼さがり。

「例のアッドゥ出張だけど、今度の日曜日(3日後)の出発でお願いします」…と。

えと、モルディブはイスラムの国なので金曜日と土曜日がお休み日曜日から仕事が始まるわけです。
つまり、週末(木曜日)の昼といえば、この日のお仕事が終われば明日と明後日はお休みだから、週明け(日曜日)にはあれとこれをして…、とか、そういうことを考え始める、またはすでにそういう計画を立ててしまっている頃合いであり、そんな木曜日の昼に、「しあさってから長期出張です」ってさぁ…。

普段がユルユルなのでその突然の、あまりにタイトなスケジュール発表にビックリしてしまいました。

しかも、前回のクルドゥフシ分校での授業は2週間で1学期分の授業をする、という内容で、それでもかなりキュウキュウだったんですが、今回の出張も前回同様2週間の予定だったところが「延期になっちゃったから時間が取れなかったんですよねぇ…。だから申し訳ないけど1週間で1学期分の授業してきてね。」ということになり…、

要するにこういうことです。

事前に2週間の出張が決まっていたものの、それが延期になっていつ行くかもわからずのんびり過ごして物理的にも精神的にも出張の準備など何もしていなかったところに、突然「3日後から地方の分校へ1週間行ってください。んで、その1週間の間に1学期分の授業をして試験もして成績を出して帰ってきてください。」と言われたのです。

…というわけで、


準備もままならないまま機上の人に。


2時間ほどでアッドゥに到着。そして…、


空港を出ると、そこに来ている(と思っていた)迎えの者はおらず、マレを発つ際に知らされていた「ヒタドゥ分校のマネージャーの電話番号」というのだけを頼りに連絡を入れてみると、電話越しから聞こえてくる方々の会話が明らかに「聞いてないよー」みたいなリアクションだったんですが、なんとか迎えに来てもらい、


おそらく職員用の宿舎と思われる建物の前でなんの説明もなく車を降ろされ、翌日から始まることになっている授業の話なども聞けずにひとりぼっちにされてしまった私。


なんとなく日が暮れて夜になり、何ひとつハッキリしたことがわからず、モヤモヤしたまま長い夜を過ごしたのであります。



……つづく。

テーマ:モルディブ - ジャンル:海外情報

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