お久しぶりです。ベトナム旧正月中の旅行のお話です。2月5日から3週間ほど、旧正月休暇ということでベトナム国内および隣国のラオス旅行に行ってきました。
実に8年ぶりのラオス、まだまだ発展途上とはいえ、やはり以前と比べると格段に旅行しやすくなっていて少々面食らいましたが、なにはともあれ嘘と金欲におぼれたせち辛いベトナムとは対照的でとてものんびりしていてよかった。
そんなわけで旅のルートですが、まずホーチミン市から列車に乗ってベトナム屈指のリゾート地であるニャチャンという町に立ち寄ったあと、ベトナム中部の古都フエまで北上し、そっからローカルバスを乗り継いでラオスに入国。主にラオス南部でのんびりしてきたわけですが、今回の旅の目的地は、ラオスとカンボジア国境の「シーパンドン」と呼ばれるエリアでした。(地図参照)
で、このシーパンドン、その名もラオ語で「シー(四)」「パン(千)」「ドン(島)」すなわち「四千の島々」と呼ばれる地域で、「内陸国のラオスに島なんかあるの?」と思われる方もいると思いますが、実はラオスにも島があるんです。

というのも、中国に源流をなし、ミャンマー、タイ、ラオス、カンボジア、ベトナムへと流れるメコン川、ラオスとカンボジア国境付近に入ると、その川幅が実に十数キロにもおよび、そこに大小無数の島々が点在。そこからシーパンドンと呼ばれているとのこと。
ラオス入国後、バスとボートを乗り継いでシーパンドンに到着したのが、ホーチミン出発から数えて実に1週間後のこと。
シーパンドンの中でも、浅瀬に急流に滝などの大自然、また、フランス植民地時代の鉄道建設跡などといった見どころが集中するのが、カンボジア国境に最も近いコン島およびデット島と呼ばれる2つの隣接する島で、このうちのデット島の安バンガローに宿をとり、1週間ほど滞在しました。橋も架かっていないし車など走っていない(というか、車が走れるほどの道もない)ような島でも、ここ数年で観光客が激増。そんなわけで島にはゲストハウスやレストランが数多くありましたが、島に住む人々は自分たちが守り続けた生活のスタイルを変えることもなく、朝はメコン川で顔を洗い歯を磨き、夕方になればメコン川に浸かって身体を洗ったり洗濯したり、そしてメコン川の水を汲み上げて作物を育てる日々…。
さらに島に電気が供給されるのは夜の6時から11時までの4時間だけで、日が沈めば自動的に電気がつき、深夜になれば自動的に消える。しかし、電気が落とされたあとの島に訪れるのは闇の世界ではなく、満天の星空。しかもその星がメコン川の水面に映る…。そんな神秘的な世界でした。
で、そんな島で1週間ものあいだ何をしていたかというと、実に何もしなかった…。

歩いて島を散策し、鉄道建設を試みたフランスが放置したままの古びた蒸気機関車を見に行ったり、自転車を借りて滝を見に行ったり、タイヤのチューブを借りてのんびりメコン川を下ってみたり、ちょっと疲れたらバンガローのテラスで絵を描いたり、ハンモックに揺られながら本を読んだり、そんでもってときどきザブンとメコン川に飛び込んで泳いでみたり…。
そんな感じのなんともダラダラした日々を送っていたわけですが、このシーパンドンにはもう一つ大きな目玉があり、それは「河イルカの棲息地」だということ。しかし、悲しいかなベトナム戦争やカンボジア内戦の影響でその数は激減してしまい、今は絶滅の危機に瀕しているらしい。それでも島を去る前日、現地ツアーに便乗して河イルカが多く棲んでいるエリアに連れていってもらいました。1時間ほどじぃっと川面を見ていましたが、残念ながら河イルカの姿を見ることはできず、結局、「この川のどこかに河イルカが潜んでいるのに…」という後ろ髪ひかれるような想いだけを残し、島を去ることになりました。
んで、その後は再びラオスを北上。すっかり発展してしまったラオスの首都ビエンチャンも見てベトナムに帰ってきました。実に8年ぶりのラオス、3年ぶりの貧乏旅行ですっかりリフレッシュし、旧正月明けの騒がしいホーチミン市に戻り、新たな気分で仕事再開です。
(旧サイト・2007年2月27日記載)

ちょこっとごあいさつです。