シルクロードのバネ工場

ウズベキスタン、フィリピン、ベトナム、モンゴル、そしてシリアに渡った日本語教師のブログです

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アレッポ県マンベジ郡

シリア(というか、イスラム諸国)は、去る11月16日から19日までイスラム暦のお正月である「犠牲祭」でした。
この犠牲祭の期間中はもちろん学校はお休みになるわけで、ついでなので大晦日に当たる15日と犠牲祭後の20日も授業を休みにし、のんびり過ごすことにしました。

…が、どうせアレッポにいても街は閑散としてるだろうし、街に繰り出してもどうせラマダン明けのアイードのときみたいにガキどもが新しい服を着てエアガンをアホみたいに打ちまくってる様子しか目に浮かばないので、街を離れてちょっとあちこち行くことにしました。

というわけで、まずこの連休の前半に我々が訪れたのがアレッポ県マンベジ郡

私が住んでいるのはアレッポ県のアレッポ市
マンベジはアレッポからセルビス(乗り合いワゴンみたいなミニバス)で1時間ほどのところにある小さなイナカ町。
アレッポとマンベジ規模の違いであったり位置関係みたいなものを、私がこれまで住んでいた町々を例にわかりやすく説明すると…、

フェルガナとリシタン。
ダバオとパナボ。
ホーチミンとヴンタウ。
エルデネットとボルガン。
さいたま市と蕨市。
そして富士宮市と柚野(合併前)。

…みたいな感じですかねぇ。

で、ここには二本松で共にアラビア語を学び、一緒にシリアに渡ってきた同期が住んでいるので、そのお宅にお邪魔いたしました。

犠牲祭ということもあり、店はほぼ全てシャッターが閉まっていて人通りも少なく、街はしんと静まり返った廃墟のような状態。

せっかくなので、犠牲祭の街の雰囲気を味わってみようということで外に出てみると…


おばちゃんたちがなんとなく座ってダラぁ~っとしたりしていて、なかなか落ち着いた雰囲気です。

…が、


カメラを取り出した瞬間、ガキどもが集まってきてしまい…


やがて収拾がつかなくなり…


本来ならこういうときにガキどもを一喝して追っ払ってくれる大人まで…

唯一の救いは、アレッポのように「アジア人(=中国人)、からかったれ。ケケケ。」みたいな雰囲気は少なく(…“少ない”というだけで、“まったくない”というわけではない)、純粋な好奇心で人々が群がってくるところでしょうか。
しかし、それにしてもこのお祭り時期に来たのが悪かったのか、事態はしっちゃかめっちゃかに。

…ということで非難。
結局、一日の大半を屋内で過ごすという「寝正月」状態に。


それでも、素直な牧童や心優しい大人たちにかこまれたり、

遊園地というか、巨大遊具のある小さい公園にも行き、やっぱりガキどもに取り囲まれたりしてしまったり、そんなこんなのマンベジ
これといった伝統様式美的な地元色の強い犠牲祭のエピソードなどもなく、時間だけが過ぎてしまいました。

今度はこういう大祭の時期は避けて、もっとフツーの日常を垣間見ることができるようなときに訪れたほうが楽しく過ごせそう、と思った次第であります。


みんなも、シリアのイナカを訪れるなら普通の日に行った方がいいよ
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テーマ:シリア - ジャンル:海外情報

第13回シリア日本語スピーチコンテスト

そんなわけで2010年11月11日、いよいよスピーチコンテスト本番の日がやってまいりました。

夜もまだ明けきらぬ朝6時、スピーチコンテスト出場者11名と応援団約15名、そして我々教師陣が大学正門前に集合し、この日のためにチャーターしたバスに乗り込み、いざ出陣。
ダマスカスの会場を目指します。

このブログで何度も書いておりますが、アレッポからダマスカスまではバスで4時間半から5時間ほどかかります。
朝早く出発したということもあり、途中でちょっと長めの休憩なんかも挟むわけですが、休憩のために立ち寄ったレストランでは、学生たちがレストラン入り口の階段でスピーチ練習をし…

もちろんバスの中でも練習

…と、そんなこんなで昼過ぎにスピーチコンテスト会場であるダマスカス大学に到着。

やはり首都の大学だけあってアレッポ大学とは違い、建物もきれい。学生たちも垢抜けた感じのおしゃれさんが闊歩してキャンパスライフとかいうやつをエンジョイしております。

ついキョロキョロ周りを見てしまうイナカ者のアレッポ軍団。

で、とりあえず会場入りしたあとは本番開始までリハーサルが淡々と行われたあと、午後2時、いよいよ開会



学生の応援に全力を傾けたいところではありましたが、なにぶん日本語教育機関も少なく、日本人の日本語教師も少ないシリアでは、我々日本人はスピーチコンテストの運営側として裏方作業に没頭しなければなりません

そんなわけでこの日、私は司会を担当する学生のフォロー役をすることになり、舞台に上がるハメに。

後ろから学生たちのスピーチを見守る形になり、さらに進行のことも頭に入れておかなければならないということもあり、学生たちのスピーチを見て「最後まで間違えずにスピーチできるかなぁ~」とかいろいろハラハラしてるヒマもなかったので、ある意味リラックスしつつ…


こんな感じで司会者の背後で自縛霊のように、はたまたスピーチコンテストのマスコットキャラクターのような感じで過ごしていました。

しかし、舞台の背後からスピーチの様子を見ていると、やっぱりそれなりに練習をつんで、真面目にこの日に向けて努力を惜しまず頑張った学生たちはしっかり堂々としたスピーチができましたよ。
(やっぱり練習もろくにせず、スピーチ原稿自体が数日前に仕上がったような学生はもうグダグダだった、ということを言いたい)

立派にスピーチをする学生たちを後ろで見ていた私も、これならちょっといいトコロまで行くんじゃないかと期待せずにはいられないような内容、戦いっぷりでした。

そんなこんなであっという間にときは過ぎ、いよいよ結果発表
アレッポ大学日本センターの成績は…

初級前半発表部門 1位
初級スピーチ部門 1位、2位
中級スピーチ部門 1位
(上級部門は不参加)

…と、なななんと4部門中3部門制覇



上の方にも書きましたが、このスピーチコンテストには運営側としても参加しております。
なので、閉会式の結果発表が行われる前、すでに審査の段階でこの結果はわかっておりました。しかし、舞台ソデから表彰式を眺めていて、8人の入賞者の中に自分ちとこの学生が4人も入ってるのを見ると、ちょっとこれはグググっとこみ上げてくるものがありました。


そんなこんなで清々しい気持ちで学生たちはアレッポに凱旋したのであります。

テーマ:日本語教育/異文化コミュニケーション - ジャンル:学校・教育

リハーサる

…ということで、もちっと早く更新するつもりだったところ、直前の追い込みでなんだかんだと立て込んでしまってまとまる文章もまとまらなくなってしまいましたが、シリア日本語スピーチコンテスト直前・なぐり書きスペシャル第3弾です。

今年は、ラマダンの影響で例年より新学期の開始が遅くなってしまったこと、また11月16日からの犠牲祭連休の影響でスピーチコンテストの開催が例年より早まってしまった、というダブルパンチのおかげで、スピーチコンテストにかける準備期間も短く、しかも前の記事に書いたような状況で学生のスピーチ稿をじっくり作り上げていくこともできず、練習もままならないままあれよあれよという間に時間が過ぎてしまいました。

そんなこんなでスピーチコンテストまでいよいよ残り5日と迫った11月6日(土)。

休日を返上して学生たちを日本センターに集め、さらにせっかくの休日だというのにアレッポ在住の日本人の方々にもお集まりいただき、“スピーチコンテスト直前リハーサルinアレッポ”を開催いたしました。

正直なところ、数日前に原稿が出来上がったような状況の学生もいたし、それ以外にもまだまだ人前に立たせるようなところまで行っていない学生も多かったんですが、とにかくこういうリハーサルは大切
普段からしゃべり慣れてる先生と、一対一で練習を続けてもその効果はだんだん薄れていくものだし、聴衆を集めて人前で話すということを一度でもやらせれば、学生たちもある程度は緊張もほぐれ、またそこから見えてくる欠点や今後の課題なんかもあるし。

でも、それにしてもやっぱり準備期間が短すぎた…

実際に人前に立たせてスピーチさせてみると、ほとんどの学生はグダグダ
それでも、ほんの数名はしっかりこのリハーサルのために仕上げてきていたのでなんとかギリギリ面目は保てたのではないかと思いますが、やはり日本人の皆さんにいただいたご指摘なんかは「まったくそのとーり」としか言えない、弁解の余地もないものばかりでした。


そしてリハーサルが終わり……

それなりに練習をつんで、リハーサルにも万全の体制で臨んだ学生は、もう胸を張ってダマスカスの大舞台に出せるくらいまでに仕上がりました。
中級は無理にしても、初級前半と初級後半の2部門は十分優勝圏内に食い込んでいるのではないかと言い切ってしまってもいいほどの仕上がりぶりです。

グダグダだった学生もさすがに自分のふがいなさに打ちひしがれ、賞を狙うところまではいかないにしても、しっかり自分の欠点を克服しようという姿勢は見せてくれています。

しかし…

実はこのリハーサル、2人の学生がドタキャンをぶちかましやがりました。
しかもその2人はなかなか原稿も書いて来ず、ようやく原稿が出来上がっても何かと理由をつけて練習をサボるような感じでした。

なので、本来であればここは辞退させてもいいような状況ではありますが、それでもこうしてスピーチコンテストに出場しようという意欲はあるので、ボロボロでもいいからあえて出場させ、大恥をかかせることで今後に繋がってくれることを期待しましょう、ということになりました。
(…ていうか、“当日の朝も来ない”という恐れもあるんですがね。)

そんなこんなでなかなか見ごたえのある、おおきな意義あるリハーサルを乗り越え、たぶんひとまわり成長したはずの学生たちを引き連れて、いよいよ11月11日、ダマスカスに乗り込みます

…というわけで次回、スピーチコンテスト結果速報を心してお待ちください。

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“スピーチ”って何だ!?

シリア日本語スピーチコンテスト直前スペシャル第2弾
というわけで、今回はこれといった写真もなく、ただだらだらと長文を読んでいただくことになってしまいますが……


スピーチ【名(-スル)】 1.大勢の前で自分の意見や主張を述べること(=演説)


スピーチという言葉を辞書で引いたりなんかすると、こんな感じのことが記述されております。

シリアの日本語スピーチコンテストは、学習者のレベルに応じて4つの部門に分かれており、まず初級前半の学習者が与えられたテーマについての発表をする「初級発表部門」。で、今年の発表テーマは「私の夢」
この初級発表部門というのは、去年まで“「日本の童話」などといった物語のスクリプトを先生が作り、発表者がそれを朗読する”というものだったらしいのですが、まず学習効果を考えたときに発表者が必ずしもそれを理解して読んでいるわけではないので、あまり意味がないのでは?というのと、聴衆の方々や審査する側から「同じ物語の朗読を10人近くも聞かされるのは苦痛」との意見もあり、初級前半であっても既習の文法項目でそれなりの発表ができるはず、ということで改められたもの。

んでもってそれ以上のレベルの学生たちはそれぞれ初級後半中級上級の各部門に別れてスピーチを行います。

アレッポの日本センターでスピーチコンテスト出場希望者を募ったところ、手を上げたのは15人(だったかな?)。
その学生のレベルをみて各部門に分け分けしたら、たしか初級発表7人、初級スピーチ6 人、中級スピーチ2人、上級スピーチ0人、という感じになりました。

そこで、「ほんじゃ、まだ完全なスピーチ原稿は書かなくてもいいけど、とりあえず今週中にサマリー(こんなこと話したいですよ、っていうあらすじみたいなの)を書いてきてください。もちろん日本語でね。」…って言ったところ、その時点でリタイアする学生も何人かいて、それでも意気ある学生はサマリーを持ってきたんですが、そんな学生たちが持ってきたサマリーを読んで、ちょっと愕然としてしまいました。

まず初級前半の発表部門
これはまあいいです。「私の夢」っていうテーマもあるから。
みんなそのテーマに沿って自分の夢を書いてきてて、最初はみんながみんな「日本に行きたい」みたいな内容だったらどうしようかと思ってたんですが、ふたを開けたらけっこうバラエティに富んでておもしろかったから。
個人的にはスピーチコンテスト本番でもここがいちばん熱い戦いになりそうな予感すらします。

で、中級部門の学生もやっぱりそれなりのものを書いてきました。
中級部門に出場する2人のうちの一人は過去にもスピーチコンテストに出場し、初級前半と初級スピーチ部門の2階級制覇を達成した学生だというのもあったので、内容もそれなりによくて直しを入れる手間も少なかったし、読ませてみるとスピーチも上手で飲み込みもいいし。

問題は初級スピーチ部門の学生ですよ。

6人の中で「これは面白くなりそうだ」っていうのを書いてきたのはひとりだけ
で、あとの5人がもってきたのはまず「ハチ公物語」にはじまり、ネットで見つけた感動話教訓めいたシリアの昔話、イスラム系かどこかの啓発本みたいなのの引用、って…。
思わず学生に言っちゃいましたよ。「…なにこれ?」って。

…えと、ちょっと再確認させていただきます。


スピーチ【名(-スル)】 1.大勢の前で自分の意見や主張を述べること(=演説)


…ですよねぇ。

シリアの学生はどうしてか作文に弱く、自分の意見とか内に秘めた思いの丈とか、おもしろ経験談とか、そんなのを書くのが苦手なんかなぁ…ていうのがあって、それはやっぱりお国柄、公の場で主義主張を述べたりすることができなかったり、そういう機会もないからなんでしょうか…。
しかし、ここへ来てここまで惨憺たるものをもってこられては頭も痛くなりますわな。
というわけで…、

あのさぁ、スピーチって何だかわかる?

…みたいな話から始めて、どっかのだれか知らない人が書いた心温まるエピソードとかが聞きたいんじゃなくて、キミたち自身が主張したいこととかみんなに聞いてもらいたい話とか、そんなの。そんなのがほしいの先生は。だから書きなおーし。
というのをひとりひとりに、優しく丁寧に、何度も繰り返しました。

…で、2人がリタイア。

最初から面白いスピーチになりそうなサマリーを書いてきた学生1人と、素直に書き直ししてきた学生3人。
その3人のうち2人は相変わらず「物語の引用」の域は脱することができず、スピーチではなく「感想文」になってしまっていましたが、そこはもう時間もないし「ゆけ、そして大観衆の前で赤っ恥かいてこい!」という親心から、まあよしとしました。

…あの、実を言うと、私がこれまで関わってきた日本語教育の現場において、まことしやかにささやかれている都市伝説があります。

私が直接指導した学生はスピーチコンテストで勝てない、と。

そんな不名誉な“不勝神話”がシリアでも語られることになってしまうのか…。
そんなこんなで現在、私も学生たちも日々の特訓に健気に取り組んでおります。


次回、スピーチコンテスト直前スペシャル第3弾は「怒涛のリハーサル編」をお送りします。

テーマ:日本語教育/異文化コミュニケーション - ジャンル:学校・教育

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