シルクロードのバネ工場

ウズベキスタン、フィリピン、ベトナム、モンゴル、そしてシリアに渡った日本語教師のブログです

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退避にまつわるエトセトラ(1)

みなさま、ずいぶんご無沙汰してしまっております。実は…


日本に帰ってきてしまいました

3月中旬ごろからシリア南部のあたりでくすぶり出したシリアの民主化要求デモがその後じんわりと大きくなっていき、収束しそうで収束しないまま他の都市にも波及。これを受けて我々も3月下旬ごろに首都ダマスカスでの避難生活を送る羽目になってしまった、ということは以前書きました。

あのとき、反体制派に対抗するべく、政府は学校も仕事も休みにして国民総動員となる言ってみれば“やらせ”の大統領支持デモをシリア各地で繰り広げ、それにより反体制派の勢力もしぼんでいくモノだとほとんどの人が思っていました。

…が、一度ついてしまった火がそう簡単に消えることはありませんでした

その後シリア政府が打ち出した政策であったり、大統領の声明であったり、新内閣の人事であったりなどはどれもこれも核心に触れず、明言を避け、みんながみんな納得できるようなものではなく、報道を見てもアレッポの学生や先生方に聞いてもデモはさらに激化するのではないかという意見ばかり。
実際、平日はいつもどおり平穏に過ごしたかと思うと週末金曜日になると各地でデモが起き、「デモ隊が治安部隊と衝突、死者何名」などという報道は絶えず。

そんなこんなで我々も毎週金曜日の礼拝後数時間は屋内待機となり、地方在住者は安否確認の定時連絡を毎日する、ということが義務付けられ、「こんな生活がいつまで続くのかなぁ、はやく騒動が収まればいいのに…」なんて思っていたんですが…、

そんなある日、首都のダマスカス大学構内でも平日の真っ昼間にデモが発生。それに続くかのように我がアレッポ大学でも学生数百人によるデモが発生(…という報道があったんですが、実際その日は朝から夜まで大学にいながらぜんぜん気づきませんでした。その後、ネット上の動画でデモの様子を見たんですが、たしかに“アレッポ大学らしき外観の建物”でなんかゴチャゴチャやってたようです。たぶんアレッポ大学風のそれっぽい場所でやってたんじゃないかと思うんだけど…)。

で、それまでシリアの人々は「政府を批判するような言動、またはそれ的なニュアンスを含むことば」ですら口に出せず、私も授業の中で良し悪しはどうであれ政治的な意見を学生に求めるようなことは避けていました。

が、なんとなく最近のこの風潮が「言ってもいい…、のかな?」みたいな雰囲気になってきていて、学生たちの口からも「シリアTV(シリアの国営放送)は全部ウソです」とか、「市民の意見を聞いてくれる機関を作ってほしい、ていうか、聞くだけじゃなくて実行してほしい」みたいなことばが出てくるようになりました。

…んで、そのころからシリア各地で規模の大小はあるにしても、ところかまわず平日でも何かしらの騒ぎが日常的に見られるようになってしまいました。

というわけで、我が派遣元団体のシリア事務所から2度目の首都避難命令の連絡が入ったわけですが、今度ばかりはちょっと神妙な感じで、

「外務省の渡航情報の危険度が引き上げられる可能性が高い、というか、もう時間の問題で危険度引き上げになるみたい。で、そうなったらもう国外退避ということになるから、そのつもりで荷造りとか、関係者に説明とかしておくように。ていうか、もう帰国便のチケットも手配してあるから。」…と。

ほんでもってその2日後ぐらいに日本国外務省からシリア全土に「渡航延期勧告」が発令され、我々の国外退避一時帰国が決定してしまったのであります。

…というわけで以上まとめると、2度目の首都退避の連絡が入ったのがたしか4月11日。危険度が引き上げられて国外退避が決まったのが4月13日。で、アレッポを去りダマスカスへ向かうのが4月19日でシリアを発つのが4月21日。
ということが本格的に決定し、とにかくアレッポにいる間にいろいろしなきゃならんことであったりダマスカスに行ってからしなきゃいかんことであったりをあれこれ考えてまたその優先順位も考えて、それを踏まえた上で我々は限られた日数を過ごさなければならなくなってしまったわけであります。

ちょっと長くなってしまいそうなので次回につづく
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黒いダイヤ

数日前、いつものように日本センターへ行って事務所に入ると、今までなかったこんなものが飾られていて…


シリア国旗と日本国旗にデコレーションされたシリアのアサド大統領

ちょっとボーゼンとしてしまいましたが…

とりあえず笑ってみた

…と、そんな平和なアレッポではありますが、日本の震災があったりシリアのデモのおかげで首都に退避したりといろいろありながら、本来ならもっと早く更新しようと思っていてついついその機会を逃してしまっていたどうでもいい話を書こうと思います。

3月のある日、いつものようにお買いものに出かけ…


いつもは素通りするピクルス屋の前で、見慣れないものが目に留まりました。


いつも私が通るたびに手を振って挨拶する少女たちもオススメのコチラ…

前々から「春ごろになると市場に出回るんですよ」と言われていた“トリュフ”です。
…と言っても、正確にはあの“世界三大珍味”と言われるイタリアとかフランスの料理なんかに使われるトリュフではなく、その仲間で「砂漠のトリュフ」と呼ばれる中東地域原産の“イモタケ”です。

しかし、やはりトリュフのお仲間だけあってこちらの感覚でみればかなりの高級品で1㌔600~700シリアポンド(1200~1400円ぐらい)。まあそれでもホンモノのトリュフと比べればはるかに安いシロモノなので、とりあえず500㌘だけ購入してみました。500㌘だけでもたいした量です。

トリュフといえば、やはり生のままスライスしてパスタとかにふりかける、みたいなイメージがあったので、


まあフツーにパスタとか焼き飯とか、


贅沢にもインスタント麺にものせてみました。
…まあ、「…はい、香りもあってなんとなく贅沢感も味わえるかな」といった感じです。

それから、これもまた贅沢。

トリュフ鍋などこしらえてみましたが、ちょっとトリュフというのは煮込んでしまうとうまくないようです。

じゃあ、煮るのがダメなら焼いてみよう
日本のマツタケなんかもヘタにあれこれやるよりは、そのまんま網焼きにして醤油をぶっかけて食うのがいちばんシンプルで旨い、なんて話も聞くし…。

フライパンで素焼きにして、これまたシリアでは高級ぜいたく品の「豆腐」にのせて醤油をぶっかけて食う。これはもう「旨い」のひと言でした。

ついでに、この日残った豆腐は油で揚げて厚揚げを作り、

揚げ出し豆腐にしてこれにもまたトリュフのスライスをふりかけて食しました。まあ旨かったです。

…と、このようにあれこれやってみましたが、いちばんのオススメはコチラ。


トリュフの天ぷら
ちょっと前に帰国されたセンパイがたにもらったそばと一緒に、贅沢気分を存分に堪能させていただきました。


ちなみに、退避生活中のダマスカスでは、黒いのも白いのもたくさん売られておりました。
…というわけで、そんな高級感溢れる食生活を堪能したい方はぜひ春のシリアにお越しください

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農の最先端

 いくつか前の記事で、

我が家の庭で育てているキャベツの芯がすくすくと葉を増やし、花のつぼみが出てきたよ、なんてことを書きましたが、先週、私が首都に退避している間に…、

かわいい黄色いお花を咲かせていました。

街を歩けば緑が目にまぶしく、色とりどりの花が咲き、気候もあったかくて心地よい日々が続いております。
我らがアレッポ城も写真の通り、緑に包まれてすっかり春の装いとなりました。
…が、あと1-2ヶ月もすれば一滴も雨の降らない、日差しの強烈な、乾燥したがやって来ます。
で、そうなるときれいに芽吹いた緑も直射日光と水不足にやられてしまい、その姿をすっかり消してしまうことでしょう。

そういえば去年の夏のさなか、私が住んでいる家の大家さんから「水をあげて大事に育ててね」と言われてもらった鉢植えの花を、なんにも知らずに日向に置いておいたらたった半日でカラッカラに枯れてしまった、なんてこともありました。
乾燥地で植物を育てるということは、それだけ大変で手間の要る作業なんだよな、ということで、

今回、我々が訪れたのは…

アレッポ郊外にある“International Center for Agricultural Research in the Dry Areas (国際乾燥地農業研究所)、通称「ICARDA(イカルダ)」

イカルダはアレッポからダマスカスへの長距離バスが通るハイウェイ沿いにあり、1000ヘクタールもの農場がもうとにかくどわぁ~っと広がっていて緑も鮮やかだしなんかすごい開放的な感じの場所です。

そして、その名の通り乾燥地における土壌の分析農作物の生育状況、また収穫された作物の品質などを調査、研究するという、農学のエキスパート集団が世界中から集まるこの施設。実は日本の大学からも研究のための長期滞在をしている学生がいて、また私の家のお隣に住んでいるということもあり、今回はアレッポ在住の日本人団体を引き連れて見学させてもらえることになったというわけです。

中に入ると超キレイ。もうぜんぜんシリアじゃないみたい

この時期はちょうど小麦のシーズンということで、農場にもお邪魔して日本人の先生にいろいろとレクチャーをしていただきました。

施設内にはなんか理科室みたいな部屋が並んでいて、その中で白衣を着た学者さんたちがなんかいろいろビーカーとかフラスコとかでゴチャゴチャやってました。
農業などという狭いくくりではなく、ここまでくるともう最先端バイオテクノロジーの研究がなされている、という感じです。

丘に登ると一面に広がる麦畑。とりあえずきちんと区画整理されているところはすべて農場なのかな?

おまけに食堂のメシも安くて旨いという、非の打ち所のないICARDA。

乾燥地農業の最先端技術、最新の指標がこのシリアとは思えない研究施設から発信されるのであります。
もう、ここを見学させてもらっている間は「ほぉ~」とか「へぇ~」みたいな感嘆の言葉しか発していなかったような感じで…、

一方そのころ、我が家の庶民派乾燥地菜園では、
土中のミミズも春を迎え、なまら暖かい土の中で来る日も来る日も微生物を食べたりフンをしたりしてせっせといい土を作り続けているのであります。

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こんなときだからこそ

ちょっと真面目な話を…。

「日本がいま大変なときに海外ボランティアなんぞに金を使ってる場合ではない」…などというクレームが、我が派遣元の団体に寄せられているそうです。
んで、それを受けて「当面は個人ブログなどの内容も応援メッセージ等にとどめるように配慮を」みたいなお願いが来ました。

まあわからないではないんですが…。

あのですね、ちょっとその関連でなんですが、16年前に神戸で地震があったとき、大学生だった私は大阪でひとり暮らしをしていました。
震源地から遠く離れた場所ではありましたが、やはり西の方から近づいてくる地鳴りで目を覚まし、それまで経験したこともないような揺れに見舞われました。住む家を失った友人もいたりして、以来、地震のニュースというのは国内外を問わず他人事とは思えなくなりました。

あの頃、地震が起きて数日後にとあるテレビ局がバラエティ番組を放送したところ、全国から苦情の電話があったそうです。しかし、その苦情のほとんどは被災地以外からだったらしく、むしろ被災地では「久しぶりに笑った、明るくなれた」等の言葉のほうが圧倒的に多かったと言われています。

自粛したり配慮することは確かに大切なことですが、こういうときにいちばん怖いのは、全ての情報が自粛の波に飲まれてしまうことです。中にはそれが同情や哀れみだととられてしまうこともあるからです。

明るい話題がほしい人は明るい話題を選べばいいし、励ましがほしい人は応援メッセージを選べばいいし、暗い気分を払いのけたい人は能天気になれるような、各々にとってのエンターテインメントを選べばいいし、要は人それぞれの価値観や境遇が異なる以上、ほしい情報も違ってくるわけで、それ以外は全て悪だと決めつけてはいけないんですよねー。

えと、話が長くなってしまいましたが、私のようにとある政府系団体から派遣されている仲間たちは基本的にブログを立ち上げるのにも申請をし、承認を得ることになっていて、内容にも言葉のひとつひとつにも気をつけなければならないようなときがあります。

が、私はその申請をしていません。
ので、その派遣元団体名も派遣プロジェクト名も、私個人が日本語教師であること以外の身分についてもこのブログ上には書かないようにしています。

だから好きなことが書けるというわけではもちろんありません。

しかし、日本でも多少はニュースになっていると思いますが、私が今住んでいるシリアはエジプトやリビアほどではないにしても、それと同様の変革の波に押し寄せられているところでまさに今、混乱の最中にあります。
だから、私は自分が今住んでいる場所で何が起こっていて、自分は何事もなく平穏無事に生活しているということを日本や世界中の仲間に知らせなければなりませんし、同時に、暗く沈んでいるときに「どこの誰だか知んないけどバカなことしてるヤツがいるな、ふふん」ぐらいの見方をされるのもいいんじゃねぇかとも思っています。

というわけで、これといった自粛はせずに普段どおりのペースでなんでもない話を書き続けようと思っています。というか、これが私なりの配慮だと思っていただけるとありがたいです。

それでもし不謹慎だと思うような内容があったときには、派遣元の団体につまんないクレームを送ることなくそれを私個人に送ってください(非公認だし)。このブログ画面の右側のどこかに私個人のメールアドレスらしき文字列も並んでいますし、記事コメントを非公開にすることもできますので。

まあそんな感じです。

ホントは今日、もっとフツーの記事を更新する予定だったんですが、とりあえず「自粛せよ」のお知らせが舞い込んでしまったので今回はそれについて。
で、明日は気分を変えてもっとどーでもいい話を書きます、というようなことを宣言したところで固いお話はこれくらいにしておきます。

テーマ:シリア - ジャンル:海外情報

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