シルクロードのバネ工場

ウズベキスタン、フィリピン、ベトナム、モンゴル、そしてシリアに渡った日本語教師のブログです

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ホーショールおじさん

この感動をみんなに伝えたいから、今日は「ホーショールおじさん」の話です。
…感動、伝わらないと思うけど。

3月に入って旧正月休みも終わり、授業が再開した日のこと。
「…あ、はじめまして。」
何やら大きな荷物を肩にかけたおじさんが外国語学部の学部室にやってきました。
眉毛が八の字に垂れ下がり、ちょっと所在なさげにたたずんでいるこのおじさん、意味不明な自信たっぷりのモンゴル男たちとはちょっとちがった雰囲気を持っています。

始めは「だれか学生の父上でもやってきたんだろうか…」と思って気にも止めていなかったんですが、このおじさん、学部室の先生方ひとりひとりに何やらボソボソと話しかけてはシカトされている様子。
で、おじさんの言葉に耳を傾けてみると、どうやらこのおじさん、ホーショールを売り歩いているホーショール売りのおじさんだということがわかりました。

ちなみにホーショールと言うのはモンゴル料理のひとつで、平べったい巨大揚げ餃子のようなものです。

…しかしこの日、ホーショールおじさんは15分ほど学部室のすみっこにボサーッと突っ立っていましたが、このおじさんからホーショールを買った先生はおらず、ホーショールおじさんも悲しげに肩を落として去って行きました。
で、このホーショールおじさん、その後も毎日のように昼ごろ学部室に訪れては「ホーショール買わねかー」とみんなにホーショールを勧めていましたが、やはり外国語学部の先生方はこのホーショールおじさんのホーショールを買ったり買わなかったり。

そんなホーショールおじさんがうちの大学に来るようになって1週間が過ぎたある日のこと…。

午前の授業が終わってボサーッとしていると、いつものように11時半ごろ姿を現すホーショールおじさん。

………で、ふと気が付くとロシア語の先生方も、ドイツ語の先生も、中国語の先生も、私以外の日本語の先生たちも、外国語学部の学部長も、さらにこの日たまたま来ていた学部長の娘も、そのとき学部室にいた私以外の先生全員がホーショールおじさんのホーショールを買って食べているではないかっ!

そして学部長の娘(4歳)が「このホーショール、おいしいね」とひと言。
…子供は正直です。

そんなわけで……、

私も買っちゃいました。ホーショールおじさんのホーショール。
羊臭さもなく塩分控えめであっさりしてるし、油ギトギトっていう感じもないし、これはお世辞でもなんでもなく、私がモンゴルに来て食べたホーショールの中でも、間違いなく1、2を争うほどのおいしさです。

………思えば始めは誰からも相手にされず、申し訳なさそうに学部室のすみっこにたたずみ、ホーショール1枚も売れずに肩を落として帰って行ったホーショールおじさん。奥さんが作ったホーショールがまったく売れず、重たい足取りで家路につくこともあったでしょう。悔しさで枕を濡らす夜もあったことでしょう…。(←何だこれ?)
…しかし、それにもめげずに毎日のように学内でホーショールを売り歩き、それが今ではこの大学になくてはならない存在になり、すっかりホーショールおじさんとして認識される存在にまでなっています。


これを“感動”と言わずして何と言う!


最近、うちとこの学部長なんかは夕方とかの小腹がすいてくる時間になると、そこら辺にいる学生とかを取っ捕まえて、「ちょっとさ、あのホーショールおじさんまだいる?いたら連れてきてくんない?」とか言うほどです。


よかったね、ホーショールおじさん。


…そんなホーショールおじさんの姿を見て、フィリピン時代のエピソードを思い出しました。

ある日、いつものように事務所でダラダラ仕事をしていると、恰幅のいいおばちゃんが大きな袋をぶら下げて参上。で、そのおばちゃんがぶら下げていた袋の中には手作りの「おかず」が数種類、ちょうど一人分ぐらいの量が小さいビニール袋に小分けにされて入っていました。

要はこのおばちゃん、おかず屋さんだったのです。

で、このおかず屋のおばちゃんのおかずが、大学の食堂のおかずと比べるのも失礼なくらい旨い。そして安い。
ということで、いつのまにか大学の職員ほとんどが毎日おかず屋のおばちゃんからおかずを買うようになったんですが、ある日、そのおかず屋のおばちゃんがパッタリ来なくなってしまいました。

…で、色んな人に聞いてみたら、大学の食堂のおばちゃんが「食堂の売上げが落ちるから外部のおかず屋を学内に入れないでくれ」と学長に直訴し、悲しいかなおかず屋のおばちゃんは出入り禁止になってしまったという。

あきれてものも言えず、全員失笑。

……2年ぐらい前に書いたエアコンの話といい、このおかず屋さんの話といい、フィリピン時代のエピソードを書くと失笑が漏れてしまうのはどうしてだろう…。


とりあえず今のところ、うちの大学にある2つの食堂からホーショールおじさんに対する圧力はかけられていない様子。そこら辺の大らかさはモンゴル人のいいところです。

テーマ:モンゴル - ジャンル:海外情報

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