シルクロードのバネ工場

ウズベキスタン、フィリピン、ベトナム、モンゴル、そしてシリアに渡った日本語教師のブログです

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新年度にむけて

前回の続きです。
前の記事をまだ読まれていない方は、先に前回の記事をお読みください。

…なんだかんだとすったもんだがありながらも、何とか私の後任として9月からうちの大学で日本語を教えてくださる後任の先生も決まりました。

で、これから後任の先生の労働ビザ申請の手続きのために日本とのやり取りをしたり、私自身も帰国に向けての引継ぎ書類の作成やら、こっちに来てから作った教科書とか絵教材をまとめる作業やらで「ざぁ忙しくなるぞ」などと思っていた矢先、なんとも衝撃の新展開が待ち受けていました。

ある日、同僚のモンゴル人の先生が何やら神妙な面持ちで私の元にツカツカとやってきて……

「先生、実は、あの……。」
「…はい。」
9月からのことなんですけど…。」
「はぁ…。」
「今度の9月に日本語学科は新入生を募集しないことになりました。
「……。」
「……。」
「…え?」
「それで、あの、新年度からうちの大学で日本人の先生は雇わないことになりました。
「……………。」
「……………。」
はぁぁあああ~~~っ!?
「…だから、あの、せっかく新任の先生が決まったんですけど、採用を取り消すようにと、学長と学部長から言われて……。」
「………………………。」
「………………………。」
ゴトリ……)←心の中で何かが動く音

「……??」

………あの、みなさん、ひとまず落ち着いてください。

詳しく説明します。

現在、うちの大学にある「日本語学科」というのは、正式に言うと「外国語学部・日本語学科・日本語翻訳家専攻」というカタチになっています。
が、実際にこんなモンゴルの片田舎で日本語を学んだところで、学生たちは卒業後に日本へ行けるわけでもないし、これといった日本語関係の仕事にありつけるわけでもなく、モンゴル国内の日本語人気というのはそれなりにあるのだけど、翻訳家の需要というのはそれほど高くない。
で、実際このところ学生の数も減り続け、学生たちの間でも「日本語学科がなくなるかもしれない」などという噂がまことしやかに囁かれていました。

そこで大学では「日本語翻訳家専攻」を廃止して、国内でもっと需要のある「日本語教師」を養成するべく「日本語学科・日本語教育学専攻」を新設しようと決定。

しかし、実際そうするとなるとカリキュラムを組みなおさないといけなかったり、教育庁などといった国の機関への申請なんかもしなきゃいかんし、国の審査もくぐり抜けなきゃいかん。それにはかなりの時間と労力を要するので、それなら来年度は日本語学科には新入生を入れず、その準備期間に当てましょう。

…んで、それなら日本語教師の数も減らさんことには採算が合わんので、とりあえず来年度は日本人の先生抜きで、モンゴル人の先生だけで授業をまわしていくことにしましょう。

ということが、ある日突然決まってしまいました。

まあ、理にかなっているといえばそうなのかもしれないんですが…、新任の先生を決めるために協議をし、採用の連絡をしては断られ、そのたびに不毛な協議を重ねたりしたことも、そのたびに気を使いながら応募者に何度もメール送ったりしたことも、そもそもそれ以前にネット上で新任講師の募集記事を出したりしたことも、これまで2ヶ月ぐらいの間に後任を呼ぶためにやってきたこと全てが「まったく無駄なこと」になってしまいました。

…わたくし、かれこれ35年ぐらい生きていますが、生まれて初めて経験しました。

骨折り損のくたびれもうけ

この言葉がこれほどまでにしっくり来るシチュエーション、なかなか経験できるもんじゃないですよ。

モンゴルにおいて、それがどんなに理不尽なことであっても、上の言うことは「絶対」です。なので、特に私のような何の後ろ盾もないチンピラ日本語教師がどれだけ食い下がっても今回の決定は覆りません。
学生のレベルとか、モンゴル人の先生にかかる負担なんかを考えたら日本人の力は必要なんですけどね…。

そんなわけで、我がモンゴル国立大学オルホン分校は、9月の新年度から日本人教師不在という「冬の時代」に再び突入いたします。

そんなこんなで後任問題も意外なカタチで終結を迎えたわけですが、私が去ったあとのことをいろいろ考えると、2年間通い歩いたこの通称「学生通り」もまた違った感情を思い巡らしながら歩いてしまいます。

そして……、



今回の後任をめぐるこの一件は、私の部屋に飾られているこの3枚の写真のうち、ちょうど3年前にウズベキスタンで撮った真ん中の写真の背景にあるエピソードに繋がっていくものでもあったのです。

それについてはまた別の話も絡んでくるので、モンゴルを去るまでの間に気が向いたら書くことにいたします。

テーマ:モンゴル - ジャンル:海外情報

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