シルクロードのバネ工場

ウズベキスタン、フィリピン、ベトナム、モンゴル、そしてシリアに渡った日本語教師のブログです

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シリーズ「絵教材」第2回・主観的形容詞

不定期連載シリーズ「絵教材」の第2回です。

前回は、「視点を変えて描いてみる」という話でしたが、まぁ、名詞の中でも特に「モノ」の絵などに関して言えば、どう描こうが重要な要素さえ抑えてあれば、その絵が何を表現しているのかが簡単にわかるわけですが、絵教材を描く上でかなり難しいのが「主観性を伴う形容詞」の絵です。

同じ形容詞でも、「赤い」とか「まるい」などのように、誰が見てもそれとわかるようなものや、「大きい/小さい」や「暑い/寒い」などのように、対峙する意味の言葉、反対の意味の言葉と並べることで理解を得られるものなどを絵で表現することは簡単なんですが、たとえば「ハンサム」とか「すばらしい」みたいに、人によって捉え方の基準が異なる形容表現を絵にすることは難しいです。

市販されている絵教材の「ハンサム」とか「綺麗」の絵教材などを見ても、正直言って「この男、どこがハンサムなんじゃ」とか、「この女の人、きれいか?」と思ってしまうものばかりです。
10人いたら10人全員が口をそろえて「ハンサム」という人なんて存在しないだろうし、ましてやそれを絵で表現するなんてことは不可能な話です。

そこで前回話した「視点を変える」をここでも適用。
 
(左)きれい (右)ハンサム

「ハンサムな人の顔」を描いても、顔の好みは人それぞれ違うので、ハンサムな顔を描くのではなく、「ハンサムな人を見ている人の様子」を描くことで「ハンサム」を表現してみました。これは自分でもなかなかのアイディア賞もんだと自画自賛しています。

しかし、フィリピンにいたときにけっこう苦戦したのが「すばらしい」の絵カード。
状況としてまず思い浮かんだのは、「何かすばらしい絵画を見て感動している人」の様子で、まず下書きの段階でこんな絵を描きました。



あとは額縁の中に「素晴らしい絵画」を描くだけです。
で、基本的に、ここで描かれる絵画が別に「素晴らしい絵画」ではなかったとしても、このシチュエーションと教師の説明だけで「素晴らしい」を教えることはできるだろうと思います。しかし、ここで「すばらしい」の絵カードに「素晴らしい絵画」を描かなかったら、それは「素晴らしいという形容詞を表現した完璧な絵カード」にはならないわけで、絵カード描きの日本語教師としては素晴らしくないというもの。なので、ここは意地でも「素晴らしい絵画作品」を描かなければならないのです。

で、何パターンもの下書きを繰り返し、最終的に完成した「素晴らしい」の絵カードですが、当時の同僚に「本当にすばらしい」と感心されるほどのすばらしい絵が描けました。

もったいないので公表しないことにします。

そんなわけで「ハンサム」や「素晴らしい」などの主観的形容詞を絵で表現することには成功したものの、いまだにどうしても納得いくモノが描けないというのがあって、それがこれ。

 
「上手(左)」と「下手(右)」

コレに関しては、2枚を対比することで十分「上手」と「下手」を表現することはできるんですが、「下手な絵」の絵を描いても、いろんな人に「これ(下手の絵)もある意味上手ですね」とか言われてしまい、そのたびに複雑な敗北感を味わってしまいます。

で、フィリピンではそう言われるのを避けるためにこんな感じで「上手と下手」の絵カードを描いたんですが…、
 

これは正直いうと「逃げ」であり、やはり個人的にはあくまで「絵」で「上手と下手」を表現したいと思っているので、いつか「下手な絵」が上手に「下手」を表していると言われるくらい上手に「下手」の絵が描けるようになりたいです。

さらに、


………シリーズ「絵教材」第3回につづく

コメント

>もったいないので公表しないことにします。
余計見たくなります。。。

私はまったく絵心がないもので、白い紙にサラサラと絵を描いていく人がまったく不思議でなりません。
「下手な絵」なら得意です!自信がないので線が細く、直線も曲線もぐにゃぐにゃうねってしまい、まず外形をぐるっと一周してつないでからパーツを書き加えるという描き方をします。つまり象ならまず(いびつな)丸を描いて顔とし、次に長い鼻と牙を描き(顔の線と交差したりします)、それから目、耳と書き入れていきます。

貴殿の「下手な像」はしっかりした太い線、バランスよく配置された耳、鼻、脚のために私から見てもやはり「上手な絵」に見えます!

  • 2007/07/09(月) 17:34:03 |
  • URL |
  • pea #rHat8f7E
  • [ 編集]

peaさん、ありがとうございます。
でも、下手な絵も上手だといわれるとなんか複雑な気分ですね…。
やはり線に迷いがないのと、バランスよく描けてしまっているのが下手さを表せていないんですね。
下手な絵が描けるように今後も精進します。

ちなみに「すばらしい」の絵は、公表しないことで期待を膨らませてしまっているようなので、実際に見てみてがっかりしないように、やっぱり公表しないことにします。

相変わらず内容面白いんですけど、こういう頑張ってる人(先生)を見ると自信失くしますね。
丁度、先日の誰かのミクシーで「似てる」って言葉を考えてたところで。。。
すばらしい絵は再度載せるのを止めた事で、そんなにすばらしくなかったんだと自分に言い聞かせて我慢します。

ところで、新しい赴任先、ウラジオとか?もしくはモンゴル??

  • 2007/07/16(月) 16:25:21 |
  • URL |
  • yak&yeti #-
  • [ 編集]

いやいや、ダバオで見ててよくわかってると思うけど、それほど頑張ってるわけでもないよ。俺とかサワムラさんとかはたまたま自分の個性が仕事に生かせる武器になったから、どっちかっつぅと「遊んでる」て感じだし。

ちなみに新任地、その二つのどっちかです。
…ていうか、職場の方とはすでに契約を交わして、熱烈歓迎ムードいっぱいなのに対して、実際のところ労働ビザ取得にかなり難航してるので、ホントに予定通り行けるかどうかはまだ未定だけど。

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