シルクロードのバネ工場

ウズベキスタン、フィリピン、ベトナム、モンゴル、そしてシリアに渡った日本語教師のブログです

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成績で奇跡を起こせ!

モンゴルの大学の成績評価の話です。

モンゴルの大学では、先週で前期日程が終了し、今週から年末年始を挟んで3週間の試験期間に突入。学生たちは元日以外の毎日、休むことなく試験に追われる日々に入りました。
私が担当している科目は6科目中4科目が会話などの実技科目なので、試験と言っても口頭で行うものが多く、テスト作りや採点に追われることもほとんどなく、比較的落ち着いた年末年始を過ごせそうな感じです。

しかし、モンゴルへ来て実際に日本語を学んでいる学生たちと接する中で、ずっと疑問に思っていたことがあって、それは「こいつら(特に3、4年生)、こんなにも日本語できないくせによくここまで進級できたなぁ…」ということ。

各学年、だいたい15から20人ぐらいの学生がいるんですが、まともに日本語でコミュニケーションがとれる学生は各学年に3~4人程度。そのほかの学生は私に何か用事があるときでも必ず「日本語がよくできる学生」を従え、その学生に通訳をしてもらってお互いに意思の疎通を図るような状況です。

あの…、まがりなりにも日本語学科の学生だよねぇ…。2年も3年も大学で日本語だけ勉強して、それってどうなん? …と、常日頃から思っていたんですが、その疑問がここへ来てようやく解明されはじめました。

原因はモンゴルの(…というか、うちの大学の?)成績評価の方法にあります。

まず成績の評価ですが、「A(90~100点)」「B(80~90点)」「C(70~80点)」「D(60~70点)」「E(60点未満)」に分けられ、「E」をもらった学生はその科目の単位が認められない、…というのは、まぁ、どこの国もだいたい似たようなもんだと思います。

で、その点数をどうやってつけるかというと、「試験前の評価」と「試験による評価」に分けられ、



上の表のような評価方法を採っています。
で、教師はこのうち60%の「試験前評価」を、試験が始まる前日までに作成して学校に提出しなければなりません。そして、試験実施後に残り40%となる試験の成績を加え、成績表を完成させて再び提出。それが学生の手に渡る「最終的な成績」になるというわけです。
もし、「試験前評価」が20%に満たない場合、その学生は試験を受けることができません。(もし試験が満点でも、総合的な成績で合格点には到達しないからね。)

とゆーわけで、前期の授業が終わったその日に、私もこの試験前評価を作成したんですが、学生たちは一部を除いて軒並み成績が悪い。試験前評価が20%にとどかない学生もちらほらいるし、60%のうちの30%にもとどかない学生というのもめちゃくちゃ多い。

で、モンゴル人の先生に尋ねてみました。


私「もし前期で不合格だった場合、その学生は後期の授業はどうするんですか?」
モ「みんなと一緒に勉強します。」
私「じゃあ、たとえば前期が59点で、後期が61点だったら、合計点でその学生は合格できるってことですか?」
モ「いえ、前期は不合格で、後期は合格になります。」
私「…? じゃあ、そういう場合、その学生は次の年はどうするんですか?」
モ「次の学年の授業を受けます。」
私「え、じゃあ不合格になった科目はどうなるんですか?」
モ「卒業するまでの間に、何回でもいいから合格するまで試験を受けてもらいます。その科目の分の授業料も、合格するまで払い続けなければなりません。」


要するに、私が勤めている大学では、その学生の成績如何に関わらず、大学に入学した1年目は1年次の科目、それ以後の2、3、4年目はそれぞれ2、3、4年次の科目を履修することはでき、例えば3年生の学生で、2年生前期の文法の授業で単位が取れなかった場合、次の年も後輩たちに混じって2年生の文法の授業に出席するのではなく、2年前期と3年生の文法の授業を履修登録し、同期の学生たちと一緒に3年生の授業に出席。ただし、試験のときは2年生のと3年生のを両方受ける。で、そんな状態がとにかく合格点をとるまで続く、というわけ。
(ちなみに、一度単位を落とした科目については「試験前評価」は加算されず、試験のみ100%で評価されます)

だから、「2年生のときに会話の授業で単位を落とした」みたいな学生が、3年生とか4年生の会話の授業に出席して、ちんぷんかんぷんな顔できょとーんとしてる。なんてことがフツーに起こっています。

さらに、私がこっちに赴任する前のハナシなので、何がどうなってそうなったのかはわかりませんが、「2年生前期の会話で不合格だったけど、2年の後期、3年前期は合格。3年後期で不合格」みたいな意味の分からない学生もいる様子。

う~む…。

語学って、フツーは簡単なものから徐々に難しくなっていき、既習項目を応用して新出項目を理解していくという「積み上げ式」みたいなもんで、大が小を兼ねるように、難が易を兼ねているモンだと思っていたんですが、そんなミラクルを目の当たりにすると、逆に感心してしまいます。

…なんかジグソーパズルみたいで楽しそうだね。

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