そんなわけで、モンゴルから中国へと南下したのち、天津から船に乗って日本にたどり着いたわけですが、いよいよ8月も終わりに近づき、モンゴルに戻る日が来ました。
…といっても、これまた東京からウランバートルまで飛行機でピュッと飛んでしまっては面白みというものがない。そこで、帰国時と同じように中国からモンゴルへと北上し、エルデネットに戻ることにしたんですが、9月1日には大学が始まってしまうのでのんびり旅をするわけにもいかず、急いで戻らなければいけません。
と、ゆーわけで、モンゴルから日本に一時帰国する際に「歩いて帰ろう」というテーマのもと、2週間かけて旅したルートですが、今度は「走って戻ろう」のテーマを掲げ、1週間以内に逆走するという旅程を組みました。
行程としては、時間がかかる船は使わず、北京まで飛行機を利用。そっからバスで二連へ行き、陸路で国境を越えてモンゴルに入り、列車でウランバートルへ。ウランバートルからバスでエルデネットまで行くというもの。これなら最短で4日あれば日本からエルデネットまで行ける計算になります。
しかし……日本からモンゴルへの逆走を始めたとたんにいきなりつまずいてしまいます。

8月25日、成田から北京行きの飛行機に乗るその日の朝、前夜のゲリラ豪雨の影響で東海道線が熱海〜小田原間が運行されないという事態が発生。で、JRの人が言うには「東海道線でまっすぐ東京を目指すのは無理だけど、沼津駅で御殿場線というローカル線に乗り換えて、国府田まで行けば、そっから東海道線に合流できる」という。(右図参照)
が………
沼津で御殿場線に乗って御殿場駅に着いてみると、次の国府田行きは1時間後。恐るべし超ローカル線…。
しかし、ここで駅員さんを恨んでも何もなりません。ましてや途方に暮れて「ぶらり途中下車の旅」などしている場合ではありません。飛行機は離陸の時間を待ってはくれないので、一刻も早く成田に向かわなければいけません。
そんなわけで…

乗ったよ高速バス……想定外の出費しちまったよ……(御殿場〜横浜1600円)
…で、無事、搭乗手続きが始まって1時間後ぐらいにようやく成田空港に到着。

こちらも雨の影響で飛行機の出発が1時間ほど遅れたものの、無事、オリンピック終了直後の北京に到着。
日本帰国前に立ち寄ったときはオリンピック一色だった北京の街ですが、今度はパラリンピック一色になっていました。
というわけで、この日は北京に一泊。
翌8月26日、夕方発の夜行バスに乗車し……

その翌朝、8月27日に中国とモンゴル国境の町、中国側の二連浩特に到着。

…んで、予定では二連に着いてすぐモンゴルに入るつもりだったんですが、バスの到着が早すぎたため、国境ゲートがまだ開いていない。ということで、7月にモンゴルから二連に入ったときに泊まった宿にあいさつに行くと……

「まぁまぁ、そんなに急ぐなよ」と引き止められてしまい、結局、二連に一泊しちゃいました。

…で、その翌日の8月28日、無事にモンゴル再入国。
その日のうちに夜行列車に乗り、8月29日の朝にウランバートル到着。ウランバートルではどこにも寄らず、駅からまっすぐバスターミナルへ行き、エルデネット行きのバスに乗車。
というわけで……

予定より1日多い4泊5日の旅を経て、1か月ぶりに我が街、エルデネットに戻ってきました。
そんなわけで、モンゴル2年目の始まりです。

10日間にわたる帰国のためのモンゴル中国南下旅行ですが、天津を最後にいよいよ中国を離れるときが来ました。
…というわけで、天津駅からバスで1時間半ほどの塘沽(Tanggu)という場所にやってきました。
で、塘沽の中心部からさらにタクシーで10キロほど走って「天津新港」へ。そして…
あれこれ必要な手続きをすませ……

←船に乗ります。
この船、「燕京号(ヤンジンごう)」といい、中国の天津と日本の神戸を結ぶ定期客船です。今回の日本一時帰国はいかにして安く、楽しく帰るかということを考えた結果、日本には船で帰るという結論に至ったというわけです。この船で天津から神戸まで50時間、2泊3日の船の旅の始まりです。
しかし、意外と日本人の利用客が多かったことに驚きでした。ざっと見た感じでは、中国人5、日本人4、その他の国1、て感じです。

そんなわけで、船内へ。
私が泊まったのは二等船室の共同部屋で、狭い船室に16のベッドが並んでいる経済的な船室です。一番安いのは板の間に20人ぐらいがザコ寝、という部屋もあり、この部屋は下から2番目のランク。それでも、テレビもあるし、エアコンも効いていて快適です。
ちなみに、二等客室は99パーセント中国人でした。つまり日本人は私だけです。他の日本人の皆さんは一等だとか特一等というもっといい部屋にお泊りになっていました。
そんなわけで船内をウロウロしてみると…

フロントも日本語対応でしっかりしてるし、

洗濯もできるし、

日本の自販機もあります。
もちろん、立派な食堂も売店もあるし、バーもあれば麻雀ルームもあり、至れり尽くせりの燕京号。 しかし、一番のオドロキは……、

「浴室」です。
もっとみすぼらしい「個室のシャワー」を想像していたので、これには吃驚しました。ちゃぁんとした湯船もあり、サウナまであり、ちょっとしたイナカの銭湯並みです。
そんなわけで燕京号が出航したあとは、なんとなく船内の共同スペースで中国映画のDVDなんかをボサーっと見ていたんですが……

突然、避難訓練が始まりました!
客人も全員強制参加です。やはり「ほぼ確実に死ぬ空の事故」に比べ、海難事故は一人一人が意識的に動けば助かる可能性は高くなるってことで、みんな真剣に船員さんの言うことを聞いています。
さらに夜には……
「燕京之夜朕歓晩会」と題し、燕京号スタッフ主催の歓迎会が行われました。その内容は、
乗務員のお姐さん方が客前でひとりづつカラオケを披露する、というものだったんですが、ホントにお姐さん方のカラオケだけで終わってしまいました。でも、なんかユルい感じがなかなか楽しかったです。ちなみに観客は99パーセント中国人でした。(日本人は私だけです。)
と、そんな感じのまったりとした船旅は続き………

天津を出港した翌日の夜10時に船内時間が中国時間から日本時間に切り替わり、深夜には関門海峡を通過、そして3日目の朝10時頃に瀬戸大橋の下をくぐり、瀬戸内海の島々を横目に見ながら船は東を目指します。
そして…

神戸に到着!
そんなわけでなかなか楽しい船旅でした。時間がある方はこの燕京号、ぜひご利用してみてください。
前回、北京と天津のオリンピックムードについて書きましたが、どちらの街もやはり近代化の波が押し寄せていて、どちらの街にも新機能を備えたピカピカの施設が設けられ、モンゴルの地方都市から上ってきた私のようなイナカ者には衝撃の連続でした。
そんな中、北京から天津まで列車で行こうと思い、8月1日の朝、天津行きの列車の発着駅である北京南駅に向かいました。
しかし……

駅前に警官隊が立ちふさがって駅への立ち入りが規制され、駅周辺には人だかりが…
…あれれ、こりゃどういうこっちゃ。もしかして列車出ないの?…でもオリンピック前だし天津のユースホステルも予約しちゃってるから今日中に天津行かなきゃいかんのだけどどうしよう……。
などと思いながら周りの中国人の様子をうかがっていると、どうやら北京南駅はオリンピックの開幕に向けて改修工事および新しい路線の導入をしていて、ちょうどこの日、8月1日に新装オープンすることになっているらしい。
で、その新装オープンに合わせて「和諧号」なる高速列車がこの日から運行されるという。
よく見るとマスコミの取材や中国の鉄道おたくと思しき人たちも多く見られます。
そんなわけで何となく駅前の人ごみの中でボサーッとしていると、やがて…

人混みが動いた!

で、その人混みに混じって駅の中に入ります。

構内は当たり前ですがピカピカです。しかも列車の駅らしからぬ空港のような雰囲気。切符売り場のお姐さんも親切応対で英語も通じるし、それでも窓口で買うのはちょっと…というシャイなあなたのために券売機もあります。すごいです、北京南駅。期せずして「北京南駅利用者日本人第一号(たぶん)」になってしまい、中国に入って一番コーフンしています。

そんなわけで切符売り場に並んで切符購入。そして…

改札を抜けていよいよ乗車。外観も車内も日本の新幹線とほとんど変わりません。

しかも各車両に乗務員のお姐さんが付いていて、ドリンクサービスやゴミ回収などしてくれます。 ちなみにこの日私が乗ったのは58元(1000円弱ぐらい)の二等座席です。二等でこの快適さということは、一等になるとどうなってしまうんでしょうか…。
サービスの質も向上してるし、そのサービスを受ける人々もそれなりに増えて始めているということで、ここへ来て、いよいよ中国が急成長している要因が徐々にわかってきましたよ。

そんなわけで、これまで普通の列車で1時間半はかかっていた北京から天津への鉄路ですが、わずか30分で天津に到着。天津駅もまた「これが中国か!?」と見まごうばかりにキレイでした。
そして………
つづく